奈良県-大倉本家-【大倉】

最初は『濁酒』という大変珍しいお酒でお付き合いが始まりました。
ドブロクじゃないか、と一言で片付けるわけにはいかないくらい大倉本家のドブロクには物語があります。
濁酒は『水酛仕込み』を名乗っています。
水酛仕込みとは、麹を使用しない、一部生米を使用する、酵母無添加などの特徴があります。
室町時代中国から伝わってきた麹でお酒が造られるようになりました。
戦国武将が盃で飲み干している白濁したお酒がそれです。
ところが麹は時の権力者か一部の者が独占して、簡単に手に入るものではありませんでした。
麹のない時代、麹の手に入らないものはどのようにして酒を造っていたのか。
その一つに奈良の菩提山正暦寺が編み出した菩提酛があります。
正暦寺はある時期から菩提酛を廃止することになりますが、紆余曲折を経てその製法は現代にいたるまで大倉酒造に受け継がれることになりました。
ただ正暦寺の手を離れてしまっているので菩提酛とは呼ばず『水酛』と呼ばれるようになりました。
1996年に「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」が発足し、正暦寺の協力のもと菩提酛を復元させる事業がスタートしました。
1年をかけて奈良工業技術センターの技術者が大倉本家に泊まり込み、水酛の製造方法をつきっきりで記録、1999年復元された酒母(菩提酛)が県内10数蔵の醸造元に配布され醸造、清酒として製品化されることに成功しました。




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