埼玉県-神亀酒造-【神亀】

2017年、小川原良征先代社長が亡くなられた。
功績はいろんなメディアで紹介されているし、『戦う純米酒』という上野俊彦氏著の自伝めいた本も出版されている。
酒造業界のひとりのドンとして、業界に貢献した業績は計り知れない。
とくにいち早くアル添酒に見切りをつけ、みずから矢面に立ちながら純米酒復活の道を切り開いてきた。
早くから全量純米酒を達成した蔵。
一緒に飲めば、意表を突くような変幻自在に繰り出される秘技に、知らないうちに桃源郷の世界へといざなわれてしまう。
純米、熟成技術、酒米、燗酒、料理との相性の分野において到達した独自の見地から、目から鱗の含蓄ある言葉が湯水のように溢れ出る。
人はいつしかそれを神亀ワールドと呼び、神亀教教祖として多くの信者に慕われてきた。
私も阿波山田錦が縁でお付き合いが始まり、いったいどれほどの薫陶を授かったものか。
本質はシャイ。そして優しく滋味に溢れる。
その人柄がそのまんま酒になっている。彼の味がする。
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